目次
- 結紮とは
-
結紮の種類
- 2-1. 術者が行う結紮
- 2-2. セルフライゲーションブラケット(自己結紮)
- まとめ
1. 結紮とは
歯列矯正には、大きく分けてワイヤー矯正(表側矯正、舌側矯正)とマウスピース型装置による矯正があります。結紮はワイヤー矯正の時に行われる処置です。
ワイヤー矯正は歯の表面にブラケットを接着し、ブラケットにアーチワイヤーを通して歯の移動を促します。このときブラケットにアーチワイヤーを固定する必要があり、この固定をするための作業を結紮と言います。
2. 結紮の種類
結紮には結紮を術者が行うものと、ブラケットが結紮を担っているセルフライゲーションブラケットというものがあります。
2-1. 術者が行う結紮
術者が行う結紮には、結紮線またはモジュールを使用します。
結紮線を使用
歯を動かすために使用するブラケットに通しているアーチワイヤーとは別の細い針金のことを指します。結紮線はひとつひとつ手で縛って固定していくので、時間がかかるものの術者側で力のコントロールができます。
モジュールを使用
モジュールとは小さい輪ゴムのようなものです。
モジュールをブラケットに引っかけるだけなので結紮の時間短縮になり、色も豊富なのでカラーバリエーションを楽しみながら歯列矯正を行うことができます。
(歯列矯正時にご自身で行うゴムかけとは別のものです。)
しかしゴム素材のため変色する可能性があります。
2-2. セルフライゲーションブラケット(自己結紮)
セルフライゲーションブラケットとは、結紮線やモジュールを使用せずに、ブラケットにワイヤーが固定できるような仕組みになっているブラケットのことです。
ブラケットに開閉できるシャッターのようなものがついており、ワイヤーを通すときは開けて、通し終わったらシャッターを閉じます。開閉式なので、結紮線を結ぶより動作が単純化され時間短縮になります。
また、時間短縮のほかにも以下のようなメリットがあります。
- 結紮線やモジュールで結紮をするよりもブラケットとワイヤー間の摩擦が少ないため、弱い力で効率的に歯を動かすことが可能
- 弱い力で歯の移動が可能なことから、痛みも少なくなる可能性がある
- 結紮線やモジュールを使用しないぶん、従来の方法より凹凸が減りプラークが付着しにくくブラッシングがしやすく衛生的
デメリットとしてはブラケット自体に結紮用のパーツがついていることもあり、通常のブラケットよりも厚みがあるため存在感が強く感じるもしれません。
またブラケット自身が結紮を担うことができることから、そのぶんブラケット自体のコストもかかります。
3. まとめ
結紮とはブラケットにワイヤーを固定するために行う処置のことです。
従来からある結紮線での結紮は、ひとつひとつ術者が結ぶので時間はかかりますが力加減を一番コントロールしやすい方法と言えます。
セルフライゲーションブラケットは、ブラケット自身が自己結紮をできることから治療時間の短縮が可能です。コストがかかりますが、術者だけではなく患者さん側の負担を減らすことができる装置です。
歯列矯正を始めるにあたって、どういった矯正装置を使用するのか、どのような方法なのかを知るのは自身の納得度に繋がる大切な部分だと思います。
歯科医院によっては使用している装置や材料をHPに載せているところもありますので、HPを参考にしつつ矯正相談のときに費用を含めて確認をするようにしましょう。
歯列矯正は基本的には自費診療ですので、使用している装置や材料、費用は異なりますので一概に「高い」から「安いから」ではくくることができません。