矯正歯科の調整料とは?
矯正歯科は自由診療科目となっており、健康保険が適応となりません。つまり、医院によって費用差があります。
健康保険が適応される保険(歯科)診療は、全国のどこの歯科医院でも同じむし歯治療を受ければ同じ費用がかかりますので安心です。歯科医院によって差はありません。しかし、矯正治療は異なります。
これから矯正歯科を受診しようかと悩んでいる人にとって、費用差が医療機関によって異なることは大きなポイントです。矯正治療が100万円の医院もあれば、80万円の医院もあります。
矯正治療の費用は、始めての方にとって分かりにくい料金体系です。今回は、矯正歯科の費用の一部である調整料とは、どういうものかご説明します。
1. 調整料とは?
矯正歯科は、矯正治療が始まると基本的に4週間に1回通院します。中には、6~8週に1回ということもあります。むし歯治療のように、矯正歯科は1週間に何度も通う必要はありません。
調整料は、この4週間に1回通院する際に支払う費用です。言い換えれば、「毎回の診察代」と呼べます。大体、どこの医院も約5,000円くらいです。
調整料 | ||
---|---|---|
子どもの矯正 | 3,000~5,000円 | |
大人の矯正 | 表側矯正の場合 | 5,000円 |
裏側矯正の場合 | 8,000円 |
なぜ?一般の方には分かりにくい“調整”という表現をするかと言うと、矯正治療はワイヤーの調整をしながら歯を動かしていくからです。
通院時に、ワイヤーの太さを変えたり、ワイヤを曲げたりして歯の動かす向きを変えたりします。この調整が調整料の語源になっています。
2. 矯正歯科の流れで調整料の詳細を確認
矯正歯科の流れの中で、どのタイミングで調整料を支払わなければならないかというと、以下のSTEP4とSTEP5となります。精密検査や診断では調整料は支払いません。
流れ | 治療費 | 調整料 | |
---|---|---|---|
STEP1 | 初診相談・矯正相談・カウンセリング | 0~5,000円 | なし |
STEP2 | 精密検査 | 3~5万円 | なし |
STEP3 | 診断 | 2~3万円 | なし |
STEP4 | 矯正治療 | 約60~100万円 (装置代など基本料金) |
あり (1通院あたり5,000円) |
STEP5 | 保定 | 約10万円 (装置代など基本料金) |
あり (1通院あたり5,000円) |
※ 医院よって治療費が異なりますので、一般的な費用(目安)を表に記入しています。
3. 調整料システムとパッケージ料金システム(総額制システム)
矯正歯科には、調整料を支払う方式の「調整料システム」と調整料を支払わなくてもよい「パッケージ料金システム(総額制システム)」という2つの料金システムがあります。
以下の表は、前項で用いた“矯正歯科の流れの表”で、前者の「調整料システム」です。
流れ | 治療費 | 調整料 | |
---|---|---|---|
STEP1 | 初診相談・矯正相談・カウンセリング | 0~5,000円 | なし |
STEP2 | 精密検査 | 3~5万円 | なし |
STEP3 | 診断 | 2~3万円 | なし |
STEP4 | 矯正治療 | 約60~100万円 (装置代など基本料金) |
あり (1通院あたり5,000円) |
STEP5 | 保定 | 約10万円 (装置代など基本料金) |
あり (1通院あたり5,000円) |
一方、「パッケージ料金システム(総額制システム)」は次の通りになります。
流れ | 治療費 | 調整料 | |
---|---|---|---|
STEP1 | 初診相談・矯正相談・カウンセリング | 0~5,000円 | なし |
STEP2 | 精密検査 | 3~5万円 | なし |
STEP3 | 診断 | 2~3万円 | なし |
STEP4 | 矯正治療 | 約70~120万円 (装置代など基本料金) |
なし |
STEP5 | 保定 | 約12万円 (装置代など基本料金) |
なし |
文字の赤い部分が両者の違いになります。「パッケージ料金システム(総額制システム)」では、予め基本料金に調整料が含まれています。パッケージ料金システムの方が割引されているわけではありませんので誤解しないように注意が必要です。
4. 調整料システムのメリットデメリット
メリット
矯正治療が当初予定していた期間より早く終わると得する
診断時に立てられた治療計画が、実際に治療をしてみて早く進み、早く終わることもあります。治療が早く終わるということは、調整料を支払う回数が減ることになりますのでその場合得をすることになります。
治療期間が短い人は得をする
そもそも治療期間が短い人は得をします。パッケージ料金システム(総額制)は一定の平均的な治療期間を加味された治療費ですので、治療期間が短い人は調整料システムの方が得をします。
デメリット
治療期間が延びたら損をする
矯正治療がなかなか終わらず、延びれば延びるほど調整料を払い続けることになります。
子供だけでの通院(親の手間が少なくなる)
パッケージ料金システムでは、通院毎の支払いがないため、お子さんだけで通院させるご家庭もあります。調整料システムの場合、調整料として5,000円を小学生に持たせるのは不安ですが、パッケージ料金システムであれば安心です。
応急処置をためらう人がいる
ちょっとしたトラブル、応急処置をお金が余分にかかるからと躊躇う人がいるようです。パッケージ料金システムであれば、すべてコミコミなので躊躇う必要はありません。