成人矯正
矯正治療は、大きく小児矯正と成人矯正の2つに分けられます。成人というと20歳以上のことを一般的に指しますが、成人矯正は高学年(小学生)くらいから対象となります。費用は装置により異なりますが、価格帯は75~90万円くらいです。
成人矯正のメリット
成人矯正には3つのメリットがあります。それは、審美的改善、機能的改善、心理的改善です。
審美的改善
審美的改善とは、見た目の美しさを得ることです。顔の印象は、目元に次いで口元が影響すると言われています。多くの方が、審美的改善を主な主訴に矯正治療を受けています。
機能的改善
機能的改善とは、口腔機能の改善のことを指します。口腔機能とは、咀嚼(そしゃく)・嚥下(えんげ)・発音(はつおん)です。歯並びが悪いと、物を噛み切れずに飲み込むので消化に悪いです。また、発音は歯並びに大きな影響を受けています。不正咬合が正常咬合に改善されることで声が聞き取りやすくなります。
心理的改善
歯並びに対するコンプレックスが改善することで、矯正治療後に自信を持てるようなったという方が多いです。具体的には、オシャレをするのが楽しくなった。化粧をするのが楽しくなったという声が聞かれます。
患者さんが実際に感じた矯正治療の価値
矯正治療を終えた患者さんのアンケート結果が次の通りです。
成人矯正のデメリット・リスク
成人矯正によって得られるメリットは大きく、そして、得られるデメリットはありません。ただし、矯正治療中において不憫なことはあります。
歯磨きが大変
装置を歯に装着するとブラシが届きにくくなるので、むし歯になるリスクが高まります。今以上に歯磨きを丁寧に、十分に行う必要があります。
(マウスピース型装置の矯正であれば取り外し可能でむし歯になるリスクも低くなります)
治療期間が長い
むし歯治療などとは異なり、矯正治療は平均2年間行います。
費用が高い
矯正治療は保険がきかなく、また、75~90万円くらいの費用がかかります。
装置の見た目が良くない
歯の表面に装置をつけるので見た目上よくありません。
(舌側矯正、マウスピース型装置の矯正であれば見た目も心配ありません)
また、リスクとしては以下のことが起こりうる可能性があります。
- むし歯
- 歯根吸収
- 歯肉退縮
- 顎関節症異常
成人矯正の対象年齢
成人矯正が可能かどうかは、年齢ではなく、歯の生え変わり状態と口腔内の状況により決定します。
歯の生え変わり状態とは
成人矯正は、年齢ではなく、永久歯列期に行う治療です。乳歯が未だ残っている混合歯列期には行いません。すべての歯が永久歯に生え変わった後に成人矯正は行われます。
口腔内の状況とは
矯正治療は若い人がするものというイメージをお持ちの方もいます。また、高齢では、矯正治療ができないと思っている方もいます。矯正治療は、何歳の方でも行うことが可能です。
ただし、重度の歯周病に罹患していたり、口腔内の状況が良くない方は矯正治療を行うことができません。
成人矯正の治療期間
成人矯正は、軽度の不正咬合の方であれば、最短で6か月ほどで治療が終わります。一方、長い方ですと4年かかることもあります。平均的な治療期間は2~2.5年くらいです。
成人矯正の費用
成人矯正の価格帯は75~90万円くらいです。方法や装置によって、費用が異なります。最も費用が高い舌側矯正の場合、110~130万円くらいの費用が必要となってきます。